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親指エッセイ登場
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2001/11/10(Sat)
最近では3千文字のメールが打てるケイタイもあるが、わがiMODEのメールは500バイト、2バイトの日本語なら250字。長そうで短い、400字詰原稿用紙に慣れた身には実に半端な長さかもしれない。さて僕の親指はこの枠の中でいったいどれだけのものを書けるだろうか。
ということでスタートするこのコーナーは、ネット音楽の隆盛を図る野心家の親指が手持ち不沙汰になるたびに弾き出す、ぼやきあり提言あり、はたまたpoeticな雑感ありの随筆である。
それにしても親指が疲れる。と、ちょうどこれで約500バイト。
小谷隆
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彼も我も静かにメールを打つ
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2001/11/11(Sun)
5年ほど前から比べるとヘッドホンをして街を行く若者がずいぶん減った。彼らの手にはウォークマンの代わりに携帯電話。わずかな小遣いは電話代に消え、新譜はきっとダビングで済ますことだろう。音色の妙を楽しむゆとりもなく、ただカラオケで恥をかかないための準備だ。そんなのは東南アジア製の安物ラジカセで事足りる。これではCDはもちろんオーディオ機器も売れない。
携帯電話に客を奪われたと言い訳するしか能のない連中の作る音楽に傾ける耳もなく、彼らの親指は静かにメールを打つ。かく言う自分もこの駄文を綴る。
小谷隆
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アーティスト甘やかすべからず
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2001/11/12(Mon)
アーティストは破天口たるべしなどというつまらないドグマがある。おかげでわざと反道徳的に振るまうことでアーティストを気取る若者が少なくない。自分たちは特別だから何をやっても許されると勘違いしている。だがそういう態度はいつかしっぺ返しを食らう。音楽界とてしょせんは人の社会。相手の多くは常識的な人々であり、礼を失すれば必ず報いは来る。ちやほやされているうちが華。落ち目になれば見向きもされない。
甘やかす側にも問題がある。甘やかすことがアーティストの自由を守るということには必ずしもならないのである。
小谷隆