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<< 感動した。ありがとう。 >>


2002/7/1(Mon)

 小泉首相語録の中で最も有名なのは「感動した!」だろう。飾り気のない正直な気持ちを端的に表した言葉だ。うがった見方をすれば他に何か言いようがないのかと揶揄してみたくもなるが、本当に感動した瞬間というのはそれを語る言葉が増えるごとに感動そのものが薄れていってしまうものだ。
 W杯決勝戦、試合はブラジルの勝ちだが、ロナウドとカーンの勝負は3対2でカーンの勝ち。ホイッスルが鳴ってもなお表情ひとつ変えずポストから離れようとしないカーンに対する僕の賛辞は、やはり「感動した!」。そして、「ありがとう」。
小谷隆


<< 宴の時も過ぎて >>


2002/7/2(Tue)

「これでサッカーをやる子供が増えてくれたらなぁ」とは少年サッカーの指導者である知人のぼやき。人々は人に感動を与えることの素晴らしさを味わったが、ブームが過ぎればまた海の向こうのイチローや新庄に眼を向けることだろう。
 Jリーグのスタンドは淋しい。あれだけ盛り上がった連中が国立や神宮のスタジアムを埋めたら、と思う。ドイツにしろブラジルにしろ、スタンドは東京ドームのジャイアンツ戦なみだ。そんな国のチームに歯が立つわけもない。
さて、市場縮小で夢のない世界に堕落しつつある音楽業界も何とかしなければ。
小谷隆


<< 昼系作曲家は夜作る >>


2002/7/3(Wed)

 僕の音楽は「昼系」らしい。かつて作家事務所の担当者にも言われた。何をもって昼なのか夜なのか? ともあれ当時の商業音楽の世界はいわゆる夜系が主流だったこともあり、僕の音楽はあまり歓迎されなかった。
 昼系と言われるものの、実は僕がメロディを起こすのは物理的に日が暮れてからの方が圧倒的に多い。夜にこそ昼を思いながら作るのが理想だと考えているからいわゆる昼系になるのだろうか。
 そういえばかつて「よるのうた」(MIYAKO)というのを作ったことがあるが、実はこれ、詞も曲も真昼間に作った。僕にとっては数少ない「夜系」だ。
小谷隆


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