ホーム > 小谷の250字 > 2003年7月(31)


<< 苦境にあっては初めに言葉ありき >>


2003/7/1(Tue)

 悲観は気分に属し、楽観は意思に属する、とはアランの言葉。辛い辛いと嘆くばかりでは悲観になってしまうが、克服してやるぞという意思があればたちまち楽観に向かう。
 いかなる苦境にあっても「どうしようもない」「もうだめだ」という言葉だけは吐いてはならない。悲観に囚われそうになったらともかくも「なんとかしよう」と口に出してみることである。そして難題の解決に向けて何でもいいから最初の一歩を踏み出してみる。たとえそれが間違った一歩であってもかまわない。間違いだとわかるだけでも確実に解決は近づく。
小谷隆


<< オトナになったもん勝ち >>


2003/7/2(Wed)

 テレビ朝日の生番組を途中でボイコットしたタトゥーの行動については「らしくていい」「けしからん」と賛否両論である。しかしドタキャンを売り物にするようなタレントを生番組にブッキングしておきながら「もしも」の準備を怠っていた局側にもリスクマネジメントの観点から反省の余地はないか。
 たとえばドタキャンされたとしてもそれを逆手にとり、「本番中にテレビ局を脱出する二人」のスクープ映像を流すとかいった方法はあったはずだ。
 敵は十代、とはいえ背後のプロモーターは海千山千のやり手。オトナになった方が勝ちである。
小谷隆


<< 表現者たるもの >>


2003/7/3(Thu)

 悲しい時に悲しい顔をするのは当たり前だし、そこには何の労力も才能も要らないが、寅さんのように顔で笑って腹で泣くのは言葉で言うほど楽なものではない。
 とはいえそれができないならプロの表現者としては失格だ。悲しみの淵にあってこそ自らの中にわずかな歓びのかけらを見出し、それを何倍にも拡大してまずは自身を奮い立たせ、その威光で悲しみに沈む他人をも歓喜させてこそアーティストである。
 アーティストはともに泣いてくれることで共感されるのではない。悲しみを共有してもそれを乗り越える力を与えてこそ共感されるのだ。
小谷隆


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