2001/12/5(Wed)
かつては書店の一角を占領していたJ-pop雑誌が相次いで休刊の憂き目にあっている。業界の盛衰はそれを扱うメディアの勢いでわかるものだが、携帯電話に若者の小遣いを奪われたと言い訳するほかない日本の音楽業界の悲哀を象徴するような現象だ。
天井の見えていたジャリの小遣いばかりを当てにしていたことが構造的な問題だった。安易な仕掛けでも若者が敏感に反応するのをいいことに、長い目で本物を育てるのを怠ったツケが回ってきた。その間に大人たちはそっぽを向いてしまった。
引きのいい市場は退きも早いのだと知るべし。
小谷隆