2002/12/4(Wed)
学生時代に呉服屋の御曹司の家庭教師をしていたことがある。長男坊で、国立の付属小学校に通っていた。普通の公立から塾通いで私立中に行った弟とは対照的におっとりしていて、何事も人任せだった。こんなのんびり屋に呉服屋の後継ぎが務まるのかと他人事ながら心配したし、歯に衣着せぬ僕は学生の分際で包み隠さずその子の母親にそう告げた。
しかしこの母親は非常にできた人で、この子は自分では何もしないから周囲がいろいろやってくれるんですよと笑う。なるほどそれもしかり。かたやすべて自分でやろうとする僕はずいぶん損な性格だ。
小谷隆