2003/6/29(Sun)
ひとときにぱっと燃え尽きる恋がある。それは花火のように華やかであり、多くの人がそんな恋愛に憧れを抱く。古今東西の芸術の担い手たちもそうした華やかで切ない恋愛ばかりをもてはやしてきた。人が恋に飽きるのを「刹那なるがゆえに尊い」などと美化しつつ。
かたや炭火のような恋愛もある。あまりに地味で時にじれったくもある。しかし灰の中からわずかにのぞく火の橙色ほど美しく切ないものを僕は知らない。消え入りそうなほど危ういが、煽げばめらめらと焔を上げる強さを内に秘めた火。
恋するならそんな火でありたい。
小谷隆