2003/8/1(Fri)
避暑地にあっても変わらぬこの忙しさは身にしみついた貧乏性ゆえかと嘆いてもみたが、実はこの通信環境のせいだ。どこでも確実に連絡が取れることで人は休息の場を大いに狭めている。通信技術の進歩はユビキタス(偏在)なる文化を産み出そうとしているが、偏在化するのは忙しさばかりだ。
携帯電話の電波で東京に時間を牛耳られると日の脚までが速くなる。昼前から仕事を1つ2つこなしてくると、東京に結果報告する頃には山端に夕日が差しかかっている。その日も暮れ切って夕闇が迫る頃、ようやくささやかな自分の時間に戻れる。
小谷隆