2003/9/21(Sun)
新しい音楽を作ろうと躍起になっていたことがあった。誰もやっていないスタイルを目指して、あるスタイルの逆をやってみたり、あるいは複数のスタイルを融合させてみようともした。時には嫌いなスタイルにも取り組んできたし、そのためにこれまで築いてきたものを棄てたりもした。
しかし、そんな試行錯誤の果てに辿りついたのは自分自身の再発見だった。僕が僕の音を奏でるのに何の衒いも捻りも必要ない。この五尺半の身の丈をした自由な魂が背伸びもせず遜ることもなく発する音以外に僕の音楽と呼べるものはないのだから。
小谷隆