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<< 曖昧さを認め、常に破壊せよ >>


2003/9/25(Thu)

 芸術が芸術たりうるか否かはひとえに曖昧なものを認められるか否かにかかっている。芸術は時に筋の通らない感情との闘いだ。そういうものを抱擁し、あるいはなだめすかし、時に戒めさえしつつ、それでも今まさにこの瞬間の己の魂の欲するところを自らに何ら偽ることなく、切那の思いそのものに忠実になれたときにこそ、芸術家は真の自由をつかむことができる。
 世にもてはやされる確固たる価値観など、芸術の核になるようで実は自らを縛るドグマにすぎない。自身の築いてきた大切な世界観を破壊してこそ生まれる作品もあるのだ。


小谷隆


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