2003/11/2(Sun)
修行も半ばの中途半端な段階で自分の型をこじつけてそれを立派な個性だなどと勘違いしている人は必ず越え難い壁にぶつかるものだ。もしぶつからないとしたら、しょせんは当たり障りのない世界に安住しているということである。自分を崇め奉ってくれる有り難い人々とだけ親近し、そのぬるま湯の中でヒーローないしはヒロイン然としている姿はまさに井の中の蛙かお山の大将だ。
馴れ合いの日々に自分を見失いそうになったら辻に立ってみるといい。そこで生身の自分を衆に問うてみよ。独りという名の出発点がそこにはある。
小谷隆