2003/12/5(Fri)
ホームシアターがブームだ。自宅で大画面とサラウンド音声の迫力を楽しもうというわけだが、これは映画館の有難さを知ってこその嗜み。
人の耳に聞こえない倍音まで表現するというスーパーオーディオCDにしても同じ。ライブの迫力を知っているからこそその臨場感の有難みがわかる。ところが世の中の多くのオーディエンスは本物を知らないうちにパッケージメディアに触れ、それがすべてだと思ってしまう。
記録媒体はあくまで間に合わせの便宜でしかない。音楽は本来、表現者と観客が向き合う場所にあるのだ。
小谷隆