ホーム > 小谷の250字 > 2004/1/12

<< 時代の断面を描くことについて >>


2004/1/12(Mon)

 音楽にしろ文学にしろ、表層的な表現が目新しいにすぎないのにあたかもそれが新しい概念であるかのように芸術家が錯覚を始めると始末が悪い。人の感情の多くは時代に左右されることはない。文化やそれに含まれる規範によって表現を変えているだけで、たとえば恋愛感情にしてもその本質は殆ど何も変わっていないのである。
 しかし普遍的なものも時代背景によって見え方は違う。ならばその違いを比べてみたら今という時代がわかるだろう。「時代の断面を描く」とはそういうことであり、それを表現できる人がその時代の芸術をリードできる。


小谷隆


前日]   [小谷の250字]   [翌日



- 01 -