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<< カメラワーク一つで人形も名優に >>


2003/11/15(Sat)

 二匹目の鰌を狙ったわけでもないのだが、Micro Theaterの2作目を公開した。これもまたタイムスリップグリコのおまけ大活用。ホンダのナナハン、それにライダーの男女を配してある。特に女の方は抜群のプロポーションで、小さな画面ではわかりにくいが大変な美人女優(?)である。
 とはいえ表情のない人形たち。これらにどうやって表情をつけるかが課題だった。そこで思い出したのが、面の角度や仕草だけで微妙な表情を醸し出す能の舞台。実際、カメラワークや光の加減を工夫してみたらいとも簡単に人形たちが様々な顔を見せてくれた。
 カメラに演技をさせてはいけないというのが映画撮影の常識である。僕もカメラに演技をさせているつもりはない。しかし、演技はさせないにしても演出には参加させている。人を相手にするときも同じだ。役者がどれだけいい表情をしても、絶妙なカメラワークがそれを捉えなければせっかくの演技も活かせない。逆にまずい演技でもカメラワークひとつで救えることがある。
 悲しそうな顔を撮るには悲しそうな顔を撮るのにふさわしいアングルでなければならない。笑い顔にも笑い顔用のアングルがある。そしてたとえば笑顔ひとつにも様々な表情がある。とはいえ難しく考えることはない。要は役者の顔や体のどこが主役でどこが脇役になっているかをわきまえて、それらをあたかも人の配置のように見立ててベストなアングルを探ればいいのである。これは写真撮影のときにも参考になるだろう。
 さてこの小品、新作映画の編集になかなかまとまった時間が取れない中、フィルターやエンコーダーのテストのため、またフラストレーション解放のためにやった習作である。仕事の合間にわずか40分で仕上げたお気楽な作品にサーバーの容量を食わせるわけにもいかず画面は小さいが、機会があればもう少し大きなサイズで人形たちの名優ぶりをお楽しみいただきたいところだ。
小谷隆


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