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批評の二面性、PVの極意
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2002/10/14(Mon)
「カミサマ」にさっそくいろんなコメントが寄せられた。BBSには好意的な感想が、そしてメールには温かくも厳しいご指摘があった。リアリティのないところが独特の雰囲気を醸し出していて面白いという声もあれば、逆にそういうリアリティのないセッティング(セピア、独り演技+ナレーション)ゆえにいかにも作り物臭いという指摘もある。
音楽でもそうだが、およそ作品に対する批評というものはそこに好き嫌いの介在した悪意がない限り賞賛する部分と批判する部分は表裏一体であるということがよくわかった。これは大いなる発見だ。
昨日は久々に音楽の現場に戻り、年内公開予定のnecoの2曲の録音を済ませ、その後でそれらの曲のプロモーションビデオの素材を撮りに行った。
PV撮影というのは非現実的な場所をロケハンする作業に尽きる。現実的な映像が入り込むとどうしてもカラオケの背景映像っぽくなってしまうからだ。あと、あまりに歌詞を追いすぎてもやはりカラオケ臭くなる。歌詞を映像化するのではなくもっと想像力を働かせ、アーティストがそれをどんな気持ちで唄っているか、その心象風景を映像化したものが理想的なPVになるのだと僕は考えている。だから歌詞に月が出てきても月が出てくるとは限らないし、じっさい今回の曲のうちの1つには「星」が登場するもののPVでは現実の星も星空も出てこない。歌詞の中にあるものは歌やPVを通じて「感じて」もらえばいい。
小谷隆