2002/10/27(Sun)
「カミサマ」の黒柳陽子さんの評判が上々のようだ。何とかその魅力の片鱗を表現できたようでほっとしている。
実はこういう正当派の美人を撮るのはすごく苦手である。こういう人はどう撮ってもそれなりに美しくは映る。しかしそれゆえ他の撮り手との差をつけるのも難しい。クセのある風貌ならいろいろな遊びを盛り込んで「味付け」もできるが、この人のようにまっすぐなキャラは小手先の誤魔化しがきかない。撮り手の能力がはっきりと出る。今回はセピアなのでまだダイナミクスが小さい分だけ救われたものの、カラーになったときにはさらに高度な技術とセンスが要求されるだろう。まことに撮り手を鍛えてくれる素材だ。
映像の仕事から離れて8年。急ぎこのブランクを取り戻して、陽子さんの珠玉の笑顔を天然色でお届けしたいものだ。
小谷隆